fugetsukai_flag慶應風月会
慶應義塾教職員定年退職者の会
1970年(昭和45年)10月結成


本会は、会員相互の親睦と連絡を図り、  
併せて生活の向上に努めるとともに、   
慶應義塾の発展に寄与することを目的とする
  
HOME 平成26年5月1日
会長挨拶・会名の由来 役員規則財務 総会 入会のご案内 TOPICS 




         
  会長就任年

1993年

1995年

2006年

2012年

2022年
会 長 名

西岡 秀雄(元商学部教授)

阪埜 光男(元法学部教授)

小林 賢三(元理工学部教授)

𠮷野 肇一(元看護医療学部教授)

工藤 教和
(元商学部教授)

     

    工藤教和会長

                                           

202311月吉日

会長挨拶

工藤教和

みなさんこんにちは。

規約にある「会員間の親睦と連絡」の柱をなす総会・懇親会を去る1028日に日吉キャンパスで開くことができました。春に続いての種々の制限から解放された会となりました。ようやく以前の様子に戻ってきたように思います。当日の様子の紹介を兼ねてご挨拶を申し上げます。

会では池田常任理事、広田塾監局長による義塾の近況についてのお話をいただきました。池田常任理事のご挨拶からは、物価高騰下で首相自らまでも唱導する賃金上昇の要請というこれまでとはまったく異なる環境での人事労務担当理事のご苦労がうかがわれました。資源が限られる中ではあっても日本の教育・研究を先導しようと現在義塾が注力しているグランドデザインの策定に大いに期待したいと思います。広田塾監局長からは、大学予防医療センターの拡充移転など義塾の最近の動きが紹介されました。

ミニ講演会では、𠮷野本会顧問が豊富な経験に基づいて高齢者がいかに余生を健康で愉しく過ごすかについて、ユーモアを交えてお話になりました。とくに、日ごろからの口腔ケアの重要性が強調されました。

皆様から寄せられた近況報告でもそうですが、会場で多く語られたのはこの夏の「異常」を通りこすような酷暑と、その中でも達成された慶應義塾高校野球部の107年ぶりの甲子園優勝でした。実際に甲子園に駆けつけた方のお話も聞けました。近況報告を読みながらのお互いの近況の確認、退職後の生活を豊かにするために挑戦していることの紹介、そして義塾在職中の仕事上のエピソードの披露など、話題が尽きない楽しい時間を過ごすことができました。

中東での戦闘激化による人道危機、昨年来のロシアのウクライナ侵攻に始まる世界の分断の深刻化、これらによってさらに顕在化した日本経済の構造的な弱点と物価の高騰、異常気象による生鮮食品価格の急騰等々、パンデミックと猛暑を乗り切ったとしても心穏やかに過ごせない日々が続いています。このような時だからこそ、義塾という職場経験を共有する者たちが集い、旧交を温めるとともに義塾の将来についても想いをはせる、一つの精神的な安寧の場としての本会の意義があるように思います。皆様の周りで未加入の方がいらっしゃいましたら積極的なお声がけをお願いします。

来年の春季総会は、61日の開催を予定しています。場所は追ってお知らせします。一人でも多くの皆様との再会を期待しています。

 
                  慶應風月会:会名の由来

 福澤先生が晩年に詠まれた七言律詩「秋日偶成(しゅうじつぐうせい)」の中の「風」「月」から採られたものです。 
富田正文著『福澤諭吉の漢詩35講』を以下に記します。(福澤諭吉協会叢書)

                  (あき)()にたまたま()れる
      出処(しゅっしょ)()()(さん)(かん)とのみならんや  市城(しじょう)塵裏(じんり)にも一身(いっしん)(やす)

      (かぜ)落葉(らくよう)()いて(かみ)ようやく(しろ)く     (つき)清霄(せいしょう)()らして(こころ)ひとり(あか)
      故旧(こきゅう)(した)しみ()り 莫逆(ばくげき)(しょう)し      妻児(さいじ)つつがなく(とも)団欒(だんらん)
      老余(ろうよ)楽事(らくじ)談笑(だんしょう)()まやかに      (さけ)()いて三杯(さんばい)すれば(あき)(さむ)からず
   

 人間の暮らし方は、出でて官に仕えて豪勢な楼閣に住み、しりぞいては山野に隠れ棲むというだけとは限らない。まちなかのごみごみしたところに居ても、一身を安らかに保つことができるものだ。今や季節は秋、わたしの人生も盛りを過ぎた。落ち葉が風に吹き寄せられているのを眺めているこのわたしの髪の毛もようやく白髪がふえてきた。雲ひとつないおおぞらを隈なく照らしている秋の月のように、わたしの心もなんの陰もなくただまごころあるのみだ。むかしからの友だちは親しみ合って互に莫逆の友と許し合い、妻や児たちも何の障りもなく相集まって睦み楽しんでいる。年をとってからの楽しみは、友人や家族が集まって、こまごまとした談笑のうちに時を過ごすことで、そこで買ってきた酒を盃を挙げて三杯ものめば、秋の寒さも気にならず、天下泰平の気分になれるというわけである。

 
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