fugetsukai_flag慶應風月会
慶應義塾教職員定年退職者の会
1970年(昭和45年)10月結成


本会は、会員相互の親睦と連絡を図り、  
併せて生活の向上に努めるとともに、   
慶應義塾の発展に寄与することを目的とする
  
HOME 平成26年5月1日
会長挨拶・会名の由来 役員規則財務 総会 入会のご案内 TOPICS 




         
  会長就任年

1993年

1995年

2006年

2012年

2022年
会 長 名

西岡 秀雄(元商学部教授)

阪埜 光男(元法学部教授)

小林 賢三(元理工学部教授)

𠮷野 肇一(元看護医療学部教授)

工藤 教和
(元商学部教授)

     

    工藤教和会長

                                           

20246月吉日

会長挨拶

工藤教和

みなさん、こんにちは。

当会の目的である「会員間の親睦と連絡」の柱となる総会・懇親会を去る61日に三田キャンパスのザ・カフェテリアで開きました。当日はアクセスの良さに加え天候にも恵まれ、多くの会員の皆様に参加をいただきました。役員一同深く感謝いたします。会の終了間際まで様々な話題で盛り上がり、確実にパンデミック以前の状態に戻ってきたように思います。当日の様子の紹介を兼ねてご挨拶を申し上げます。

会では池田常任理事と4月に就任された松田塾監局長から義塾の近況についてのお話をいただきました。とくに最近公開された2023年度事業報告・財務情報からうかがわれる義塾財政の好転について、これが一時的なものなのか傾向的なものなのかを説明していただきました。お話の中では、塾長を先頭に精力的に取り組まれている収入増を目指す活動の成果が紹介されました。しかし、施設・設備の必要な更新のためにはまだまだ足りない状況にあることも併せて報告されました。厳しさを増す私学をめぐる環境の中にあって、財務基盤を強化しつつ日本の教育・研究・医療を先導しようとする義塾の姿勢についての理解を深めることができました。

今回も218名という大勢の方から「近況報告」をいただきました。「近況報告」は会員相互の消息を確かめ合う貴重な場となっています。懇親会でもこの「近況報告」をもとに話が弾む場面が多く見受けられました。また、高齢者が物心ともに豊かな生活を送るためには何が必要かという大きなテーマから義塾在職中の笑えるエピソードの披露に至るまで話題が尽きない楽しい時間を過ごすことができました。

中東での戦闘激化による人道危機、一昨年来のロシアのウクライナ侵攻に始まる世界の分断の深刻化、これらによってさらに明らかになった日本経済の構造的な弱点とそれに起因する物価の高騰、異常気象による生鮮食品価格の急騰等々、収入の道が限られている高齢者にとっては心穏やかに過ごせない日々が続いています。このような時だからこそ、義塾という職場経験を共有する者たちが集い、旧交を温めるとともに将来についても想いをはせる、一つの気持ちがやすらぐ場としての本会の意義があるように思います。皆様の周りで未加入の方がいらっしゃいましたら、ぜひ積極的なお声がけをお願いします。

秋季総会・懇親会開催の場所について、皆様からの希望が多い信濃町での可能性も模索してきましたが、今年の秋については1026日に日吉の「グリーンズマルシェ」で開催することになりました。どうぞ皆様お誘い合わせの上ご参集ください。皆様との再会を楽しみしております。

 
                  慶應風月会:会名の由来

 福澤先生が晩年に詠まれた七言律詩「秋日偶成(しゅうじつぐうせい)」の中の「風」「月」から採られたものです。 
富田正文著『福澤諭吉の漢詩35講』を以下に記します。(福澤諭吉協会叢書)

                  (あき)()にたまたま()れる
      出処(しゅっしょ)()()(さん)(かん)とのみならんや  市城(しじょう)塵裏(じんり)にも一身(いっしん)(やす)

      (かぜ)落葉(らくよう)()いて(かみ)ようやく(しろ)く     (つき)清霄(せいしょう)()らして(こころ)ひとり(あか)
      故旧(こきゅう)(した)しみ()り 莫逆(ばくげき)(しょう)し      妻児(さいじ)つつがなく(とも)団欒(だんらん)
      老余(ろうよ)楽事(らくじ)談笑(だんしょう)()まやかに      (さけ)()いて三杯(さんばい)すれば(あき)(さむ)からず
   

 人間の暮らし方は、出でて官に仕えて豪勢な楼閣に住み、しりぞいては山野に隠れ棲むというだけとは限らない。まちなかのごみごみしたところに居ても、一身を安らかに保つことができるものだ。今や季節は秋、わたしの人生も盛りを過ぎた。落ち葉が風に吹き寄せられているのを眺めているこのわたしの髪の毛もようやく白髪がふえてきた。雲ひとつないおおぞらを隈なく照らしている秋の月のように、わたしの心もなんの陰もなくただまごころあるのみだ。むかしからの友だちは親しみ合って互に莫逆の友と許し合い、妻や児たちも何の障りもなく相集まって睦み楽しんでいる。年をとってからの楽しみは、友人や家族が集まって、こまごまとした談笑のうちに時を過ごすことで、そこで買ってきた酒を盃を挙げて三杯ものめば、秋の寒さも気にならず、天下泰平の気分になれるというわけである。

 
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